暑い時期の「様子が変です」――電話で顔や手の動きを確認する理由
電話で顔や手の動きを確認することがあります
暑くなってくる時期は、熱中症だけでなく、脱水をきっかけに体調を崩しやすい時期でもあります。
特に高齢の方や持病のある方は、のどの渇きを感じにくかったり、汗をかいた分の水分が足りなくなったりして、知らないうちに脱水に近い状態になることがあります。
脱水になると、体の中の水分が不足し、血液の流れにも影響が出ることがあります。
そのため、暑い時期には脳梗塞などに注意が必要になることもあります。
訪問看護の電話には、ご家族から、
「なんとなく様子が変です」
「いつもより反応が悪いです」
「話し方が少しおかしい気がします」
「力が入りにくそうです」
といったご相談をいただくことがあります。
この「いつもと違う」という感覚は、とても大切です。
熱がある、痛みがある、血圧が高い。
そうしたはっきりした症状ではなくても、表情、話し方、動き方、反応の遅さなど、ご家族だからこそ気づける変化があります。
そのようなお電話を受けた時、私たちはいくつか確認することがあります。
たとえば、顔の左右差です。
笑った時に、片方の口角が下がっていないか。
顔の片側だけ動きにくそうではないか。
また、片方の手足に力が入りにくくなっていないか。
ろれつが回りにくい、言葉が出にくい、受け答えがいつもと違うことはないか。
これは、電話で病気を診断するためではありません。
今すぐ救急車を呼ぶべき変化が起きていないかを確認するためです。
実際に、電話でご家族に確認していただく中で、顔の動きに左右差がある、片方の手足に力が入りにくい、言葉がはっきりしないといった様子がわかり、迷わず救急車をお願いしたこともあります。
もちろん、すべてが大きな病気とは限りません。
眠気、脱水、発熱、薬の影響、疲れなどで、いつもと違って見えることもあります。
それでも、顔の左右差、片側の手足の脱力、言葉の出にくさが急に出た時は、「少し様子を見よう」とするよりも、救急要請を優先した方がよい場合があります。
脳梗塞などの脳卒中は、時間がとても大切です。
対応が早いほど、その後の治療や回復に関わる可能性があります。
ご家族にお願いしたいのは、
「こんなことで電話していいのかな」と思いすぎないことです。
毎日そばで見ている人の、
「いつもと違う」
という感覚は、とても大切な情報です。
訪問看護の電話対応は、安心してもらうためだけのものではありません。
必要な時には、迷わず次の対応につなげるためのものでもあります。
気になる変化があれば、遠慮なくご相談ください。
その小さな違和感が、大切な判断につながることがあります。
